「やらなければならない」とわかっていても、つい後回しにしてしまうことはありませんか?
経営者の場合、日々の業務に追われ、会社の将来や自身の働き方など、重要な問題ほど先延ばしにしてしまうこともあるでしょう。
しかし、「時間ができたら」「明日になったら」と考えていても、その日が必ず訪れるとは限りません。
過去を変えることも、未来を確実にすることもできません。私たちが実際に行動できるのは、今この瞬間だけです。
本記事では、先延ばし癖が生まれる理由や、禅・マインドフルネスに通じる「今を生きる」という考え方について紹介します。
なぜ私たちは「明日やろう」と先延ばししてしまうのか
「やらなければならない」とわかっているのに、つい後回しにしてしまう――そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
特に経営者は、日々多くの決断を迫られています。目の前の業務を優先するあまり、会社の将来や自身の働き方など、重要な問題ほど先延ばしにしてしまうこともあるでしょう。
先延ばしをしてしまう理由の一つは、未来の自分に期待してしまうからです。
「明日なら余裕があるはず」「来月になれば落ち着くはず」と考え、今の自分が抱えている問題を未来へ預けてしまいます。
しかし、明日になれば必ず状況が改善しているとは限りません。むしろ、先延ばしにした問題に新たな課題が加わり、さらに行動しにくくなる可能性もあります。
「時間ができたら」は本当にやってくるのか
「仕事が落ち着いたら、会社の将来について考えよう」
「売上が安定したら、事業承継について調べよう」
このように考えている経営者もいるでしょう。
しかし、経営を続けている限り、次々と新しい仕事や課題が生まれます。忙しさが完全になくなる日を待っていては、いつまでも行動できないかもしれません。
大切なのは、時間ができるのを待つのではなく、今ある時間の中で何ができるかを考えることです。
会社の将来について1時間考える余裕がなくても、10分だけ現状を整理することはできるかもしれません。
「時間ができたら始める」から「今できることから始める」へ―― この意識の転換が、先延ばし癖をやめる第一歩になります。
先延ばしの正体は「未来の自分」への丸投げかもしれない
私たちは、未来の自分なら今よりも上手に物事を進められると考えがちです。
しかし、未来の自分も今の自分の延長線上にいます。今日できなかったことが、明日になれば自然とできるようになるとは限りません。
経営においても同じです。
例えば、経営者が会社から離れたいと考えていても、「もう少し売上が伸びてから」「後継者が育ってから」と判断を先延ばしにする場合があります。
もちろん、準備期間が必要な決断もあります。しかし、具体的な準備を進めずに時期だけを先送りしていては、状況は変わりません。
未来の自分に期待するよりも、未来の自分が動きやすくなるように、今の自分が準備を進める――そう考えるだけでも、日々の行動は変わってくるのではないでしょうか。
過去は記憶、未来は想像。動かせるのは「今」だけ
過去を振り返って後悔したり、未来について不安を感じたりすることは、誰にでもあります。
しかし、過去に戻って決断をやり直すことはできません。また、未来を完全に予測することもできません。
私たちが実際に行動できるのは、今この瞬間だけです。
禅やマインドフルネスでは、過去や未来にとらわれず、今この瞬間に意識を向けることを大切にしています。
例えば、座禅では呼吸や身体の感覚に意識を向けます。過去の出来事や未来への不安が浮かんでも、それにとらわれず、再び今の呼吸へ意識を戻します。
これは、経営者にとっても参考になる考え方です。
過去の経営判断を悔やんだり、将来の売上を心配したりするだけでは、現実は変わりません。
一方で、今日できる行動に目を向ければ、会社や自分自身の将来を少しずつ変えていくことができるにゃん。
未来を考えることと、未来に逃げることは違う
ただし、「今を生きる」とは、将来について考えなくてよいという意味ではありません。
経営には、中長期的な事業計画や資金繰りの見通しが欠かせません。事業承継やM&Aなども、十分な準備と慎重な判断が必要です。
重要なのは、未来を設計することと、今の決断を未来へ先延ばしにすることを区別することです。
例えば、「5年後に経営から退く」という目標を立て、そのために後継者の育成や財務状況の整理を始めるのであれば、それは未来に向けた準備です。
一方、「いつか経営から離れたい」と思いながら何も行動しなければ、未来に判断を預けているだけかもしれません。
未来を変えるために必要なのは、未来について考え続けることではなく、今できることを一つずつ実行することです。

「明日死ぬとしても、今日それをやりますか?」
「明日死ぬとしても、今日それをやりますか?」
少し極端な問いかもしれません。しかし、この問いには、自分にとって本当に大切なものを見極めるヒントがあります。
私たちは日々、さまざまな仕事や予定に追われています。目の前の業務をこなすことに精一杯で、自分が本当にやりたいことや、人生で大切にしたいことを後回しにしている場合もあるでしょう。
特に経営者は、会社や従業員に対する責任を背負っています。そのため、自分自身の希望よりも、会社の経営を優先し続けてしまうことがあります。
しかし、会社を経営することは、必ずしも人生のすべてではありません。
「本当は家族との時間を増やしたい」
「現場から離れ、新しいことに挑戦したい」
「会社の将来を考え、次の世代へ引き継ぎたい」
このような思いがあるなら、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
今の自分が大切にしたいことを、いつまで未来の自分に預け続けるのでしょうか。
もちろん、明日すべての仕事を辞めたり、会社を手放したりする必要はありません。
大切なのは、限りある人生の中で何を優先したいのかを見つめ直すことです。
「いつかやろう」と思っていることがあるなら、その「いつか」を少しだけ今日に近づけてみましょう。
先延ばしをやめるために必要なのは、大きな決断ではない
先延ばし癖をやめたいと思っていても、いきなり大きな行動を起こそうとすると、かえって負担に感じてしまうことがあります。
例えば、会社の将来について考えなければと思っていても、「事業承継を決断する」「会社を売却する」といった大きな目標を掲げると、何から始めればよいのかわからなくなるかもしれません。
しかし、最初から結論を出す必要はなく、まずは自分の考えを整理したり、必要な情報を集めたりするだけでも、前進しているといえます。
大きな決断をすることと、決断に向けて動き始めることは別です。
今の自分にできる小さな行動を積み重ねることが、結果として将来の大きな選択につながっていきます。
「行動」を5分でできる大きさまで小さくする
先延ばしをやめるためには、やるべきことを5分程度で取り組める大きさまで分解する方法があります。
例えば、次のように考えてみましょう。
- 「事業承継について考える」→後継者の候補を書き出す
- 「会社の将来を整理する」→現在の悩みを3つ書き出す
- 「専門家に相談する」→相談先の連絡先を調べる
- 「家族との時間を増やす」→家族と過ごす予定をカレンダーに入れる
どれも、今すぐ始められる小さな行動です。
5分で問題を解決する必要はありません。重要なのは、後回しにしていたことに対して、具体的な行動を起こすことです。
例えば、専門家に相談したいと思っているなら、まずは相談先を一つ調べてみる――それだけでも、漠然と考えていた状態から一歩進めます。
「いつか大きく動く」よりも、「今日、小さく動く」。
この意識を持つことで、先延ばしにしていた問題にも向き合いやすくなるでしょう。
マインドフルネスで「今」に戻る練習をする
先延ばし癖をやめたいと考えている方は、マインドフルネスを取り入れてみるのも一つの方法です。
マインドフルネスとは、過去や未来について考え続けるのではなく、今この瞬間の自分の状態に意識を向けることです。
例えば、仕事の合間に数分間だけ目を閉じ、呼吸に意識を向けてみましょう。
「昨日の判断は間違っていたかもしれない」
「来月の売上はどうなるだろう」
このような考えが浮かんできても、無理に消そうとする必要はありません。
考えが浮かんだことに気づき、再び呼吸へ意識を戻します。
大切なのは、過去への後悔や未来への不安に気づき、今の自分へ意識を戻すことです。
マインドフルネスを実践したからといって、すぐに先延ばし癖がなくなるわけではありません。
しかし、頭の中で考え続けていることと、実際に行動することの違いに気づくきっかけにはなるでしょう。
過去を変えることも、未来を確実にすることもできません。しかし、今の行動は自分で選べます。
まずは数分間、今この瞬間に意識を向けることから始めてみてはいかがでしょうか。
今日の一歩|ずっと後回しにしていたことを、一つだけやる
「いつかやろう」と思いながら、ずっと後回しにしていることがあるなら、今日、そのうちの一つだけに取り組んでみましょう。
例えば、次のようなことです。
- ずっと連絡しようと思っていた相手に電話する
- 気になっていた専門家に相談の予約を入れる
- 家族と将来について話す時間をつくる
- 会社の将来について、自分の考えを紙に書き出す
- 以前から興味があったことを一つ調べてみる
大きな成果を出す必要はありませんし、すべてを今日中に終わらせる必要もありません。
大切なのは、未来の自分に任せていたことを、今日の自分が一つだけ引き受けることです。
例えば、経営から離れることを考えているなら、今日中に引退を決断する必要はありません。まずは信頼できる人に相談したり、自分が会社を離れた後の生活について考えたりするだけでもよいでしょう。
「いつか時間ができたら」と考えているうちに、月日が過ぎてしまうこともあります。
もちろん、慎重に考えるべき問題について、無理に結論を急ぐ必要はありません。しかし、考えることと、何もせずに先延ばしにすることは違います。
今日できる小さな行動が、未来の選択肢を広げることにつながります。
この記事を読み終えたら、ずっと後回しにしていたことを一つ思い浮かべてみてください。
そして、できることなら、今すぐ行動してみましょう。
先延ばし癖についてよくある質問
経営者が先延ばし癖をやめたいと考えたときによくある質問を紹介します。
- 経営者が重要な決断を先延ばしにしてしまうのはなぜですか?
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経営者が重要な決断を先延ばしにする理由には、失敗への不安や責任の重さ、情報不足などがあります。
特に、事業承継やM&A、廃業などの判断は、経営者自身だけでなく、従業員や取引先、家族にも影響を与える可能性があります。そのため、簡単に結論を出せない場合もあるでしょう。
- 経営者の先延ばし癖は、会社経営にどのような影響を与えますか?
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重要な経営判断を先延ばしにすると、事業機会を逃したり、問題への対応が遅れたりする可能性があります。
例えば、後継者の育成を先延ばしにしていると、経営者が引退を希望したときに、会社を引き継げる人材が育っていないかもしれません。
また、事業の見直しを後回しにした結果、経営改善に着手するタイミングを逃すことも考えられます。一方で、十分な情報を集めずに決断することにもリスクがあります。
したがって、すべてを即断するのではなく、必要な検討を進めながら、適切なタイミングで判断できる状態を整えることが大切です。
- 「忙しいから後で考える」は先延ばしにあたりますか?
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必ずしも先延ばしにあたるわけではありません。
経営者には日々多くの業務があり、すべての問題にすぐ対応できるとは限らないからです。
ただし、「忙しいから」という理由で重要な問題を繰り返し後回しにしている場合は、注意が必要です。
- 経営判断を先延ばしにしないためには、何から始めればよいですか?
-
まずは、現在先延ばしにしている問題を一つ書き出してみましょう。
そのうえで、すぐに結論を出そうとするのではなく、判断するために必要な情報や行動を整理します。
例えば、事業承継について悩んでいるなら、後継者候補を整理したり、専門家に相談したりすることから始められます。
会社を今後どうするか迷っている場合は、事業を継続する、第三者へ引き継ぐ、廃業するなど、どのような選択肢があるのかを知ることも第一歩です。
まとめ|「いつか」ではなく、今できる一歩から始めよう
先延ばし癖をやめたいと思ったとき、大切なのは、すべてを今すぐ解決しようとすることではありません。未来の自分に期待するのではなく、今できることを一つずつ実行していくことです。
経営においても同様です。事業承継やM&A、廃業といった重要な決断には、十分な準備が欠かせません。しかし、その準備まで先延ばしにする必要はないでしょう。
円満廃業.comでは、事業の継続や自走化、事業承継・M&A、廃業など、経営者それぞれの希望に応じた選択肢を考えるお手伝いをしています。
今すぐ結論を出す必要はありません。まずは、これからの会社とご自身の人生について、一緒に整理することから始めてみませんか?



