会社の廃業手続きは自分でできる?~解散から清算まで

会社をたたむ時にもお金がかかりますよね?自分でやることはできるの?

簡単ではないけど、がんばればできるにゃん

そっか、やっぱり大変なんだ…

自分でやることと専門家にお願いすることを分けてもいいにゃん

会社をたたむ場合、つまり、会社を解散し清算するとき、その手続きは多岐に渡ります。会社を清算する経営者からすれば、これ以上の出費はできるだけ抑えたいものでしょう。「解散や清算手続きを自分たちでやれないものか――」。

中小企業では経営者が株主であることも多いです。他社資本の場合は、支払う費用はその資本の返金額が減るだけではありますが、自己資本の場合は、ダイレクトに自分たちへの手残りに影響します。そういう理由で、会社の解散や清算手続きを自分たちでやってみようと思うのは自然な流れでしょう。そのような方に向けて、自分で手続きができるものか、考えてみます。

目次

廃業とは?清算、休眠、破産のどれか?

「会社をたたもう」と考えたときに、自分の会社がどのような状態であるか、今後どうしたいかによって、廃業の形態が異なります。債務を実行しきれない(借金を返しきれない)場合は、廃業ではなく破産という形になります。まずは状況を整理してみましょう。

会社をたたむと決めた経営者が3つのうちどれを選ぶべきかを簡単に示したフローチャートを以下に提示します。これに沿って考えてみてください。

実際のところ、手続きの煩雑さを考慮すると破産や特別清算はなかなか自分たちでは難しいでしょう。ただ、廃業となると、調べてやればできないことはありません。

登記は法務局のホームページにいけば、閉鎖登記に必要な書類は見つけることができます。不明なところは法務局に行けば教えてもらうこともできます。法人の申告は、売却益が出ていなければ、住民税均等割だけの納付で済むため、自分で申告できる可能性もあります。

「法人住民税均等割は、事業所などが所在することで課税されるものだにゃん。事業が赤字でも税金を支払う義務があるにゃん」

自分で廃業の手続きをする際の注意点

まずはガイドを読む

すべて自分でやるには困難が伴うので、廃業を依頼するある程度の費用は手元に残しておきましょう。そうすることで廃業に向けた手続きを、部分的に専門家に依頼する方法も取ることができます。

円満廃業手続きガイド

大まかな解散・清算手続きの流れを理解する

会社を解散、清算する際の手続きとしての主な流れは以下のようになります。

手続きに時間がかかる部分を見ていきましょう。

解散の日から2週間以内に、法務局で解散及び清算人選任登記を申請します。登記申請の際には、定款、株主総会議事録等が必要になります。

解散にあたっては、税金の申告(国税・地方税)が必要になります。税務署への解散確定申告書です。これまでも決算時にやっていたこととほぼ同じです。ただ、今回は解散を決断したことによって、決算を待たずして実施することになります。

会社が解散となった場合、会計期間がいったんここで区切られるため、解散期間に対応する税金の申告をしないといけません。解散を決めた後は会社の収入も支出もないことでしょう。税務署と市区町村役場に行って「収入がない」旨を伝えれば、教えてもらうことができます。収入がある場合は判断や手続きの煩雑さから専門家へ依頼したほうがよいでしょう。

その後、清算登記のためにふたたび法務局へいくことになります。

清算結了登記(清算登記)のテンプレートはこちらからダウンロードできます

清算結了登記は、完全に会社がなくなったという宣言だにゃん

そしてさらにこのあとは税務署、都道府県税事務所、市区町村役場等に行き、清算結了の届出を行います。

法務局に足しげく通う

自分で廃業の手続きをやるのであれば、手続きの初期段階でつまずかないように、法務局に足しげく通うと良いでしょう。法務局がいろいろと教えてくれます。ここで必要となる書類は、主に以下です。リンク先の「会社解散と清算人専任の登記(解散登記)」を事前にダウンロードしておきましょう。

円満廃業 書式ダウンロード

全体でいくらかかるのかを知る

会社をたたむという、解散・清算手続きにかかる費用をおおむね理解しておきましょう。依頼する専門家にとって費用はさまざまで一概には言えませんが、どういうところに費用がかかるのかを理解することで、イメージが持てるはずです。

廃業にかかるお金を知る

誰に相談するか迷ったら

会社を円満に廃業させるためにはやるべきことは山積みです。廃業のためには、決算の確定や税金の申告をし、きれいに清算する必要があります。誰に相談するか迷った場合は、まず税理士に相談しましょう。

営業終了日や廃業通知の段取りなども税理士に相談に乗ってもらうことができます。

 エマニャン

円満廃業ドットコム 編集部のアバター

円満廃業ドットコム 編集部

会社経営において、終わり方に迷いを持たれる経営者は数多くいらっしゃいます。廃業にまつわる「何をすれば良い」「本当に廃業すべきか分からない」といった様々な不安をクリアにし、これまで努力されてきた経営者が晴れやかなネクストキャリアに進めるように後押しします。

目次