資材高騰による廃業・気候変動による廃業

資材高騰による廃業・気候変動による廃業

廃業を決断する理由の一つに業績の悪化があります。債務超過になってしまう前に廃業を決断することで、関係者への影響を最小限にすることができます。当記事では、資材高騰によって廃業を決断した企業と、気候変動によって廃業を決断した例を紹介します。

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歴史あるメーカーの廃業 耕うん機のマメトラ農機

農家の方々には驚きのニュースが飛び込んできました。あのマメトラ農機株式会社が、2023年11月30日付での廃業を決定したとのこと。同社は昭和 22 年の創業以来、76 年も続いた老舗農機具メーカーです。国内で初めての小型トラクター(小型耕うん機)を生産したパイオニアで、小型耕うん機のことを指して「マメトラ」と呼ぶくらい、その名前も広まっていました。

ウェブサイトには社長名で廃業のお知らせが掲載されています。そこには「諸般の事情」と書かれていますが、原因は部材価格の高騰にあったようです。

部材価格の高騰の原因は、新型コロナウイルス禍からの経済回復と、ウクライナ情勢によって、鋼材などの部材が全体的に不足したことにあります。「欲しいのに部材がない、あったとしても高い」という状況下での決断のようです。

また、コロナ禍ではサプライチェーンが機能せず、物流で大きな混乱が起きました。マメトラ農機でも仕入れが大幅に遅延しました。農機を商材とする同社においては、需要が多い時期に販売機会の損失が大きく響いたといわれています。

マメトラ農機は、2032年まで修理と部品注文の窓口を設ける発表しています。埼玉県桶川市の細田農機にマメトラアフターサービス部門を立ち上げて2032年まで部品供給をおこなうことになります。

しっかりと顧客に対するフォローの体制を整えているのはさすがだにゃん。

経営者の方の苦労は外部の人間からは分かりませんが、マメトラ農機は、倒産ではなく廃業という形で会社を終えることができました。

76年も日本の農業を支えてきた会社だにゃん。経営判断を尊重するにゃん。

参照情報:日本農業新聞(2023年10月4日)https://www.agrinews.co.jp/news/index/187388

フランスのスキー場が雪不足で廃業

ヨーロッパのアルプスに位置するスキー場「ラ・サンビュイ・スキーリゾート(La Sambuy)」がスキー場としてのビジネスを停止することを決めました。なんと、その理由は温暖化です。

ラ・サンビュイでは地球温暖化によって、雪が降らなかったといいます。かつてとは全くことなる降雪量で、前シーズンでは営業できたのはなんと1か月程度だったようです。スキーシーズンが短縮されたことで、リフト営業の採算が取れなくなり、リフトの撤去を決めました。これはつまりスキー場としてのビジネスを辞めるということになります。決めたのは当リゾートを運営する町の市議会でした。当リゾートでは夏場への誘致をこれまで以上にやっていくようです。

ラ・サンビュイのホームページでは、山スキーとかスノーシューハイキングとか、たくさん楽しそうな情報が載ってるのに残念だにゃん。夏に期待だにゃん。

参照情報:https://www.upi.com/Top_News/World-News/2023/09/17/france-la-sambuy-ski-resort-closes/5871694971925/

 エマニャン

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円満廃業ドットコム 編集部

会社経営において、終わり方に迷いを持たれる経営者は数多くいらっしゃいます。廃業にまつわる「何をすれば良い」「本当に廃業すべきか分からない」といった様々な不安をクリアにし、これまで努力されてきた経営者が晴れやかなネクストキャリアに進めるように後押しします。

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