中古機械を売却するときは複数社に見積依頼を

中古機械を売却するときは複数社に見積依頼を

経営が厳しい場合、特に製造業においては中古機械を売却することは、収益確保やスペース確保につながる手段の一つとなります。しかし、中古機械の売買は、業者選定によってトラブルが生じることがあります。製造業者が中古機械を売却する場合、業者の信頼性や実績、買取価格や手数料などの条件、取引のスムーズさを考慮し、適切な業者の選定が必要です。

特に、廃業を考えている場合は、財務状況が厳しく、慎重な選択が求められます。複数の業者を比較検討し、査定価格を把握することで、中古機械の適正な価格での売却が可能です。また、手続きや運搬に関する負担も軽減できます。製造業が中古機械の売却を検討する場合は、事前に業者選定についてしっかりと準備し、トラブルを回避しながら収益確保につなげることが望まれます。

目次

買取査定の適正さを確認する方法

以下に確認する5つの方法を記載します。

  1. 買い取りできそうな業者を複数見つける。
  2. 売却する機械の状態を正確に把握し、買取査定に必要な情報を等しく提供する。
  3. 買取査定の根拠となる書類や詳細な見積もりを提出してもらう。
  4. 業者の口コミや実績、信頼性を確認し、問題がないかチェックする。
  5. 買取査定の金額や条件を比較検討し、最終的な判断を下す。

これだけを読むと、簡単なことと思うかもしれません。しかし売却する側で大事なことは、状態や年式をきちんと確認することです。

特殊な機械であるがゆえに、状態や年式を確認しなければ正確査定金額は算出できません。売却対象の台数が少ない場合には、写真やヒアリングによる見積もり依頼を実施しましょう。機械の台数が多い場合は現地視察ということで業者に来てもらう方法もあります。

機械を手放したあとでは遅い

製造業を営む倉谷浩紀さん(56歳)は廃業に向けてすべての機械を手放すことを決意し、いくつかの買取業者に査定依頼をしました。しかし時間もなく、紹介された1社のみの査定依頼としました。その1社からは予想をはるかに下回る価格で提示されたものの、大手の買取業者ということで信頼してしまい提示価格で手放すことにしました。

倉谷さんは、その後も頭の片すみで「もっと高い価格でうれたのではないか」とずっと気がかっていました。その話を同業社長と話をしたときに、「そんなに安い値段で売ったの?」と驚かれて、適正価格について改めて調べてみました。その結果、業者側が提示した査定額は、実際の市場価格とはかけ離れていた可能性があったことがわかりました。

倉谷さんは業者と交渉を重ねましたが、業者側は査定額の引き上げを拒否。結局、不本意ながら安い価格で機械を手放すことになってしまいました。この経験から、倉谷さんは機械を売却する際には、慎重に業者を選ぶことの重要性を痛感しました。「あの時、複数社に見積依頼をしておけばよかったです」と倉谷さんは振り返ります。

買い取り業者側の事情

この倉谷さんのエピソードからは、本当に不当に買いたたかれたかどうかはわかりません。業者側の事情を想像してみましょう。

1.中古市場の価格が下落傾向にあったため、業者が利益を失うリスクを恐れた。

2.機械の状態が思わしくなく、そのまま販売することが難しいため修理を要するが、その業者にはその機種についての工具やパーツ、技術がないため外部委託に頼らざるを得ず再販コストがかかった可能性がある。

3.業者がその機械の需要が高い再販ルートを有していないことや、その機械の査定技術を有していないことで適切な査定ができなかった。

4.こちらに時間がないということや競合他社がいないたいため、業者側が足元を見て利益の最大化を図った可能性がある。

上記の4以外の理由は、業者側にもある程度納得できる事情があると推察されます。妥当性は1社に依頼しただけでは分かりません。

製造業が機械を売却する際には、買取業者の選定に慎重さが必要です。不当な低価格を提示する業者が存在するため、複数の業者に査定依頼をすることで市場価格を把握することが重要です。また、こちらが無価値と思っているものであっても、業者が価値があると思えば値段がつきます。想像もしないような市場が存在することもあります。最後まであきらめない姿勢も必要かもしれません。

 エマニャン

円満廃業ドットコム 編集部のアバター

円満廃業ドットコム 編集部

会社経営において、終わり方に迷いを持たれる経営者は数多くいらっしゃいます。廃業にまつわる「何をすれば良い」「本当に廃業すべきか分からない」といった様々な不安をクリアにし、これまで努力されてきた経営者が晴れやかなネクストキャリアに進めるように後押しします。

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