企業が継続的に成長するための研究や支援は世の中にたくさんあります。一方、廃業する側についてはあまり話されることがありません。しかし現代の経済状況は、多くの中小企業や小規模事業者にとって厳しさを増しています。特に高齢化が進む中で経営者が引退するケースが増えていることから、廃業問題が一段と重要なテーマとなっています。
当記事では、2025年頃には日本の中小企業のうち約127万社が廃業を迎えると予測されている、この「大廃業時代」における、廃業の支援について考えてみます。
廃業の現状と問題点
廃業は「経営がダメだから」というわけではありません。承継がどうしても難しかったり、市場が厳しくなったり、経営者の健康や家庭の問題もあります。経営者は孤独です。実際に経営者の3割くらいは「誰とも相談していない」と回答するデータもあります。相談した人も「家族や親戚」にとどまっているケースが多く、専門家からしっかりとしたアドバイスや情報が得られていない現状があります。
廃業「支援」の新しい考え方
事業承継の困難さが問題になっている現在、手を尽くした結果、自らの代で事業を終了することを決断する経営者が増えています。それならば、廃業を決断した企業経営者に対して、何らかの支援が必要になることは想像に難くないでしょう。
廃業「支援」は、廃業を急がせるわけではありません。廃業を選んだときに、問題が少なくて済むように手助けするものです。
中小企業庁は、廃業支援の在り方として、次のように記載しています。
廃業「支援」とは、企業に積極的に廃業することを促すものではなく、廃業を決断した経営者が、債務超過に追い込まれて倒産することがないよう、ある程度経営余力のあるうちに、計画的に事業を終了することを支援する取組をいう。
廃業支援とは具体的にどんなこと?
支援の方法としては、主に以下の三つがあります。
情報を提供する
廃業に必要な情報、たとえば税金のことや法的な手続き、財産をどうするかといったことを知ることができます。廃業には多くの手続きが必要で、知識がないと後で大きなトラブルにつながる可能性もあります。そのようなリスクを避け、安心して事業を終えるためには、廃業支援の専門家の意見を聞くことが非常に有用です。
匿名で専門家に相談できる
電話で気軽に相談できる窓口やオンラインの場を作るといった支援です。ここには感情的な支援も含まれます。多くの経営者は廃業について誰とも話していない、または家族や親戚にしか相談していないと言います。しかし、専門のカウンセリングやサポートを受けることで、精神的な負担を軽くすることができます。それだけでなく、次のステップに対する明確なビジョンも描きやすくなります。
小規模企業のための共済制度
経営者が老後の資金や急な事態に備えて、毎月少しずつお金を積み立てるための支援です。多くの廃業支援サービスでは財務の面でもアドバイスがあります。例えば、資産の最適な処分方法、借入金の返済計画など、金銭的な負担を減らすための具体的な方法を提案してくれます。
廃業は、特に中小企業や小規模な事業者にとって、避けられない選択の場合があります。もし廃業を選んだとしても、それでも安心できるようなサポートが必要です。商工会や商工会議所、都道府県の中小企業支援センターなどの廃業支援については、しっかりとアンテナを張っておくようにしましょう。
情熱と努力、そして多くのリソースを投じてきたビジネスを終える決断は、多くの精神的、金銭的ストレスを伴うことでしょう。ここで重要なのは、廃業支援を受けることでそのストレスを軽減し、よりスムーズな過程を経ることができるという点です。
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